クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
この際話を聞いてもらおうと思って、今の状況を素直に話した。
「最近蒼永ずっと忙しいし、週末も実家に帰ることが多くて」
「じゃあ一緒に過ごす時間があんまりないの?」
「いや、そこまでってわけではないんだけど…学校でもなるべく会える時は会ってるし」
それでも校舎が違うからバッタリ会うとかはあんまりなくて、大体昼休みか放課後なんだけど。
「キスとかハグは毎日してるし」
「今サラッと惚気たな」
「でも、それ以上は……」
そもそも寝室も別だから、一緒に寝たこともないし。
そういう雰囲気?になってないってことはないと思うんだけど……
「なんかその、サインがわからない」
「サイン?」
「今からそういう雰囲気ですよ!みたいな。スマホのアラームとかで教えてくれないかな?」
「そんなムードのないサインの発想なかったわ」
「面白いな。ネタに使えそうだ」
だってわからなくない!?
世の恋人たちはどうやって進んでるの!?
「蒼永は私の気持ちが追いつくまで待つって言ってくれてるの……でも、気持ちが追いつくって何??と思ってしまって」
「咲玖は面白いな。班に入れてもらえてよかった」
「あかりん、完全に観察モード…」
「そもそも何をどうしたら、気持ちが追いついたことになるの!?」
「咲玖ちゃん落ち着いて!」