クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
考えれば考える程頭の中がグルグルして、こんがらがってわからなくなる。
「そんな難しいことじゃないと思うけどなー?
要は咲玖ちゃんがしたいか、したくないかってことでしょ」
私がしたいか、したくないか……。
「……その二択なら、したいんだと思う……」
自分で言っててものすごく恥ずかしいし、顔から火が出そうな勢いだけど。
でも、きっかけがわからない。
「半分はまだ恥ずかしいし勇気がないって気持ちもあるの。それに今、ほんとに蒼永忙しいし…お母さんも妊娠中で色々大変だから。
だからっ、いつしたらいいのか……!!」
「どうどう。」
「わからんが、こういうのは自然とそうなるものじゃないのか?」
朱莉ちゃんは何やらスマホで文字を打っている。
多分何かメモを取っているようだ。
「焦らなくてもいいと思うが」
「あたしもそう思うかなぁ。
まあ、咲玖ちゃんから迫ってみてもいいとは思うけど」
「私から迫る!?」
「――と、思ったけど咲玖ちゃんにはハードル高すぎるね」
「そうだな」
「ま、焦らなくても大丈夫だって。
それに修学旅行ってなんかいつもと違うじゃん?
いい雰囲気になれちゃうかもよ〜??」