クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
翠夏ちゃんも朱莉ちゃんも「夜抜け出す時は協力するから!」と力強く親指を立ててくれた。
そっか、修学旅行ではそんなこともできちゃうのか……。
「修学旅行でヤったカップルもいたらしいよね」
「そういうのはどうかと思うが。咲玖もそれはやめな」
「やらないよ!!」
「そんな本気にしなくても。本当に面白いな」
朱莉ちゃんは終始楽しそうにスマホを打っていた。
どれだけ漫画のネタにされるんだろう……。
* * *
「ただいま〜」
「おかえり」
「ただいま!蒼永帰ってたんだね」
「うん、さっき」
……なんか、さっきあんな話したせいなのか、蒼永の顔見るの恥ずかしいな……。
「今日ねー!翠夏ちゃんと朱莉ちゃんって子と、修学旅行でいるもの買ってきたんだよ!」
恥ずかしさを誤魔化すために、やたら早口でペラペラ喋ってしまう。
「じゃじゃーん!京都のガイドブックも買っちゃった!後で自由行動どこに行くか決めよ!」
「うん、いいよ。待ってるから着替えておいで」
「っ、うん!そうするね!!」
頭ポンポンされただけでキュンキュンしてしまう私、チョロすぎる……。
こんな感じでいざいい雰囲気になっても、大丈夫なのかなっていう不安もある……。
悶々としながら手洗いうがい、制服から部屋着に着替えた。