クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
17時を目安に1日目の旅館に戻り、18時から宴会場で夕飯。
それからお風呂に入って、消灯時間までは自由に過ごす。
もちろん男女別フロアなので、お互いの部屋に行き来するのは禁止!
禁止だけど……!!
「あのっ、翠夏ちゃん、朱莉ちゃん!私これから……!」
「九竜くんとこ行くんでしょ?いってら〜」
「気をつけてな」
「ありがとう!行ってきます!」
ちょっとだけ!ちょっとだけなら!
ロビーで話すだけだから……!!
でもやっと会えるよ〜〜!!
「ロビーに着いたよ」とLIMEを送り、ソワソワしながら蒼永を待つ。
「あれ、白凪ちゃんどったの?」
「! 藤田くん…」
「浴衣かわい〜〜。
もしかして自販機に来た感じ?俺もなんだ。
じゃんけんで負けてさぁ」
「あ、いや、私は…待ち合わせしてて……」
「あーー…、彼氏とか」
「そうなの」
「そっか。じゃ、俺行くわ!」
「また明日ね」
ヒラヒラ手を振って藤田くんを見送る。
蒼永、まだかな――?
早く会いたい――……。
「咲玖、お待たせ」
「蒼永……!」
ゆ、浴衣姿カッコイイーーーー!!!!
同じ柄の浴衣着てるのに、こんなにもキラキラして見えるなんて……!!