クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
* * *
2日目の午前中は全員で清水寺へ。
一応クラス毎に見るんだけど、とにかく人が多くてものすごいぎゅうぎゅうだ。
今日は朝から気合い入れてヘアメを頑張ったんだけど、こんなにぎゅうぎゅうだと髪崩れちゃうかな…。
バレない程度にメイクもして、指輪もしてきちゃった。
「咲玖ちゃん、今日めっちゃかわいいね〜」
並んでる間、別のグループの子が話しかけてくれた。
「午後彼氏と回るの?」
「そうなの…」
「いいなぁ〜!私のカレ、先輩だから絶対一緒に行けないもん」
そっか、学年が違うと一緒に来られないもんね。
一緒に来れてるだけでもよかったって思わないと……。
みんなで写真を撮り、一周したら団体行動は解散となる。
「じゃ、咲玖ちゃん後でね〜!」
「楽しんで」
「翠夏ちゃんと朱莉ちゃんも楽しんでね!」
二人と別れ、私はなるべく邪魔にならない場所に移動して蒼永にメッセージを送った。
S組は多分まだ見てると思うから、お手洗いに行って軽くメイク直そう。
前髪も崩れてない。リップは引き直して…と。
OK!バッチリかな!
蒼永まだかな〜……。
「あのー、御朱印ってどこでもらえるんですか?」
急に同じ修学旅行生と思われる男子高校生グループに声をかけられた。
「えっと、多分あっちの方でもらえたと思いますけど……」
「あっち?」
「坂を登って…」
「案内してもらえますか?」
「……係の人に聞けないんですか…?」