クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


* * *


朝、不意に目が覚めた。
時計を見たらまだ6時過ぎ。

朝食は8時からだからまだ時間ある…と思いながら、スマホを見て――


「……っ!!」


思わず飛び起きた。

え、嘘じゃないよね……?

まだ半信半疑になりながらベッドから起き上がり、とりあえず急いで顔洗って歯も磨いて、まだ寝てる二人を起こさないように部屋を出る。

先生が起きてませんように、と祈りながら速足で玄関を出た。


「蒼永っ!!」

「……咲玖、」


ほんとに、蒼永だ……っ!


「っ、蒼永……!!」


駆け寄って抱きついて、受け止めてもらって、その温もりが本物であると認識する。
我慢してたものが全部プツンと切れて、涙が止まらない。

蒼永は泣きじゃくる私の頭を優しく撫で、一層強く抱きしめてくれた。


「……ごめん、連絡できなくて。色々説明させて欲しいんだけど」

「うん、聞く!」

「あそこに座ろうか」


そう言って蒼永は、ホテルの前のベンチを指差す。
二人でベンチに座ると、蒼永は着ていたジャケットを私に掛けてくれた。


「寒くない?」

「大丈夫…」


なんかもう、心の奥からポカポカしてるから――……


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