クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


教室は既にザワザワしていた。
男子も女子もみんなグループができているような…。

そろそろと黒板の前に行き、自分の席を確認する。
窓際の後ろの方か…。

自分の席に座り、改めて教室を見回してみた。

うーん、知らない子ばっかりだなぁ…。
しかもみんなそれぞれ輪になって話してるし、一人でポツンと座ってるの私だけじゃない…?

どうしよう、話しかけにいくのも気まずいな…。
やばい、友達作れる自信なくなってきた…。

一人俯いて座っていた私は、周囲の囁き声なんて聞こえていなかった。


「白凪と同クラとかラッキー!」
「今日もめっちゃかわいいよな!」
「しかも美少女はもう一人いるっていう…」


はぁ……。
内心で溜息をついていたか、実際に声に出ていたのかはわからない。

そんな私に、話しかけてくれた女の子が。


「こんにちは〜」
「こ、こんにちは…?」
「あたし、華村(はなむら)翠夏(すいか)。翠夏って呼んでね」
「し、白凪咲玖です」
「知ってるよ〜。咲玖ちゃんと話してみたかったから!」


え、え、え。ほんとに?
しかも翠夏ちゃんって…めちゃめちゃかわいくない!?

長くて艶やかな黒髪をツーサイドアップに結いてて、おめめはぱっちり、まつ毛も長い。
メイクもすごく上手だ!アイドルみたいにかわいい!!


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