クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
私が手に取ったクッションは、餃子の形をしたクッション。なんで餃子なのかわからないけど、このもちもちの肌触り、たまらない…!!
しかもよく見ると、焦げ目がちゃんとキャラのシルエットになっててさりげなくかわいいじゃない!
「この餃子、欲しいかも…」
「……咲玖ってたまに変なもの欲しがるよね」
「えっそう?かわいいと思うんだけど」
「じゃあ、買おうか」
そう言って蒼永は餃子を一つ手に取り、そのままレジに行こうとする。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!!
自分で買うよ!!」
「いいよ、買ってあげる」
「なんで!?なんで蒼永の誕生日なのに私がもらってるの!?」
「そもそもは1年記念日なんでしょ?
だからいいじゃん」
「いやそれでも良くないよ!?」
だって、私買ってもらってばっかりだもん!!
こういうのはイーブンであるべきじゃない!?
「だから、私が蒼永の餃子買うのはどう?」
「いや別に餃子はいらないかな…」
「えーー!!」
「…じゃあ、俺の我儘聞いてよ」
「何!?」
なんでも聞きます!と言わんばかりに、ふんすしながら胸を叩く。
どんな我儘でもカモン!!
「二人きりで旅行に行きたい」