クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


え、旅行……?

そんなの我儘どころかむしろ、


「私も行きたい…」

「夏休み中は無理かもだけど、落ち着いたら一泊とかで」

「え、うん、めっちゃ行きたい」

「朝まで一緒にいたいって意味だよ」

「!」


朝まで一緒ってことは……、えっとつまり、同じ部屋に泊まるとかそういう……

自分でもドキドキしてるのを感じながら、多分顔は赤いんだろうと思いながら頷く。


「いいよ……」

「本当?」

「……っ」


もう一度こくりと頷く。


「じゃあ、ちゃんと咲玖の両親に許してもらうね」

「え?大丈夫じゃない?」


うちの親なら、行ってらっしゃいって送り出しそうなんだけど。
何ならお土産もリクエストされそうなんだけど。


「そんなことないよ。とりあえずこいつ買ってくるね」

「――あっ!」


餃子はあっという間にレジに持って行かれ、結局買ってもらってしまった。


「ありがとう…大事にする」


この大きくてもちもちの餃子を抱えながら歩くという。いやでも、やっぱりこの餃子かわいいと思う。

それから家族にお菓子を買って、桃ちゃん翠夏ちゃんと一緒に付けたいなと思ったキーホルダーも買った。

かなり大荷物になってしまったので(大体餃子のせい)、ちょっと早めにレストランに入ってごはんを食べ、夜のパレードを見たら帰る予定!


< 164 / 200 >

この作品をシェア

pagetop