クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
え、旅行……?
そんなの我儘どころかむしろ、
「私も行きたい…」
「夏休み中は無理かもだけど、落ち着いたら一泊とかで」
「え、うん、めっちゃ行きたい」
「朝まで一緒にいたいって意味だよ」
「!」
朝まで一緒ってことは……、えっとつまり、同じ部屋に泊まるとかそういう……
自分でもドキドキしてるのを感じながら、多分顔は赤いんだろうと思いながら頷く。
「いいよ……」
「本当?」
「……っ」
もう一度こくりと頷く。
「じゃあ、ちゃんと咲玖の両親に許してもらうね」
「え?大丈夫じゃない?」
うちの親なら、行ってらっしゃいって送り出しそうなんだけど。
何ならお土産もリクエストされそうなんだけど。
「そんなことないよ。とりあえずこいつ買ってくるね」
「――あっ!」
餃子はあっという間にレジに持って行かれ、結局買ってもらってしまった。
「ありがとう…大事にする」
この大きくてもちもちの餃子を抱えながら歩くという。いやでも、やっぱりこの餃子かわいいと思う。
それから家族にお菓子を買って、桃ちゃん翠夏ちゃんと一緒に付けたいなと思ったキーホルダーも買った。
かなり大荷物になってしまったので(大体餃子のせい)、ちょっと早めにレストランに入ってごはんを食べ、夜のパレードを見たら帰る予定!