クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「すごいねぇ」
「あっもちろん毎回じゃないですよ!?
でも結愛、ワックとかファミレスみたいなとこには行ったことないですね〜。
デートとかで連れて行かれたら、ちょっとガッカリしちゃう〜」
「え、そう?私は蒼永とも行くよ。
安くて美味しいし学生には有難いよね」
「……ふーん、そうなんですかぁ」
……あれ?
結愛ちゃん、ちょっと不機嫌そう?
なんか気に触ること言ったかな……?
「咲玖さんって料理されるんですか?」
「うん、たまにだけど…」
「得意料理なんですか?」
「得意料理!?」
えっ、なんだろう…自分の中でこれは得意!って思える料理あったかな!?
「結愛はキッシュが得意かな〜。こんな風に色々アレンジしてるんですよぉ」
そう言って見せてくれた写真には、お店で売られているような美味しそうなキッシュが写っていた。
「すごい!これ結愛ちゃんが作ったの!?」
「そうなんです〜。あ、もちろん和食も得意ですよ?
蒼永くんは毎回和食派ですもんねっ」
「え?ああ、そうだね。
でも青人さん、蒼永のお父さんは意外と洋食が好きみたいだから、毎回でもないみたいだよ」
「…へー…」
「おじいさまは圧倒的に和食派だから、不服そうにされるんだって!」
「ふーん……」
「あっ、そういえばだいぶ前だけど、肉じゃが作ったら結構蒼永が気に入ってくれたんだよね。
それが得意料理かなぁ?」