クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


また作って、って言ってくれたのが嬉しかったんだよね〜!!
肉じゃがはパパ直伝だからパパに感謝だ。


「そうなんですか…へー…蒼永くんって意外と肉じゃが得意って言っちゃう女に引っかかるんですかねぇ」

「え?」

「家庭料理が得意って言うと、家で料理するいい女です〜ってマウントに聞こえるし、男にはアピールしてるって思われるから、気をつけた方がいいですよ?」

「え、そうなんだ…」


マウント取ってるつもりはなかったんだけどな……。
そんな風に思われることもあるんだ。


「第一、九竜家のお嫁さんになるなら、もうちょっと手の込んだもの作れるようになった方がいいと思いますけど〜。
嫁の品格も本家の威信に関わるんですからぁ」

「え……」

「結愛が和食作るなら、これくらいはやっちゃいますねっ!」


結愛ちゃんが見せてくれた和食は、まるで料亭で出されたと言っても過言ではない、立派な和食だった。
写真だけでも美味しそうだし、とても手が込んでいることがわかる。

でも、


「…肉じゃがは、手を抜いてるわけじゃないよ。
これは父が教えてくれた料理で、見た目は普通だけど美味しくなるように味付けが工夫されてて…」


手抜きだって思われるのは、心外だな……。


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