クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「いいけど、誰?」
ものすごく本音を言えば二人きりがよかった。
「昨日話した翠夏ちゃんって子!
私の友達だから…蒼永にもちゃんと紹介したくて」
「わかった。いいよ」
「ありがとう!」
結局咲玖にお願いされると弱いんだよね。
「じゃあ、終わったら教室で待ってるね!頑張ってね!」
「あ、待って」
咲玖の髪に付いていた糸屑を取った。
「取れた」
「あっ…、ありがとう…!」
なんかやけに動揺して顔を赤くする咲玖。
「…もしかして、キスされると思った?」
「…っ!ち、ちがうよ…!」
そうなんだ。めっちゃかわいいな。
本当なら今すぐしたいけど、流石に背後に部長たちいるからな。
なるべく部長たちから咲玖を隠したい。
こんなにかわいい咲玖、誰にも見られたくない。
多分独占欲を抑えるとか無理なんだと思う。
「じゃあねっ!後でね!」
照れ隠しから逃げるように立ち去る咲玖もかわいい。
やっぱり女子マネなんて、いらない。
「…おい九竜、何を堂々と見せつけちゃってくれてるんだ」
「部員の士気を上げるためだ、何が何でも女子マネを入れろ」
「お前みたいなリア充ばっかだと思うなよ」
「……。」
…もう、勘弁して欲しい。