クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
華村が言い出し、近くのカフェに入ることに。
「…蒼永、いいの?」
「咲玖がいいなら」
「ありがとう…!」
うん、かわいい。
* * *
「咲玖ちゃんと九竜くんってぇ、並ぶとちょーお似合いだね」
「そ、そうかな…」
「うん!二人っていつから付き合ってるの?」
「つ、付き合い始めたのは去年だけど…えっと実は、私たち婚約してて」
「――えっ?」
それまでニコニコ話していた華村の表情が変わる。
咲玖は掻い摘んで俺たちが生まれた時から許嫁であることを説明した。
「幼馴染で許嫁で同棲!?何それ漫画!?ドラマ!?」
「あはは、そう言われると漫画っぽいかもね」
「ぶっちゃけ想像の遥か斜め上をいったわ…」
説明がめんどくさいから普段は周囲にただ付き合ってる、とだけ話してる。
部員にも誰にも話してないから、こういう反応されるの新鮮だな。
「いいな〜〜!羨ましすぎ〜!!夢ありまくりだよ〜」
「学校ではあんまり会えないんだけどね…」
ちょっと寂しそうにする咲玖があまりにかわいくて、衝動的に抱きしめたくなったけど堪えた。
「えっ会いに行けばいいじゃない!」
「でも、S組は校舎も違うし…」
「あたしもついていったげるから!実はS組に知り合いいるんだ〜」