クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
ようやく朝食の玄米ごはん、味噌汁、サラダの準備ができた。
蒼永と同居を始めるまではまともに料理してこなかった私だけど、調理部に入って最近はちょっと上達してきた。
空手部と剣道部を兼部する蒼永のため、今の目標は栄養面も考えた食事を作ること。
まだまだだけど頑張る!
「味噌汁、おいしい」
「ほんとに!?」
「うん」
よかった!
こんな風に大好きな人と過ごす何気ない日常がすごく幸せ。
早くも新婚生活を送れてるみたいで…そう思うとドキドキしちゃうけど。
――ピンポーン!
突然鳴り響くインターホンに驚く。
こんな朝に誰だろう…?
「蒼永!元気でやっているかね?」
「じいちゃん?」
「おじいさま!」
やって来たのは蒼永のおじいさま!
私たちの婚約を決めた張本人であり、蒼永の武道の師匠でもある。
「やあ、咲玖さん。食事の最中だったか…すまんな」
「いえ」
「なんかあったの、じいちゃん」
「お前が全く電話に出ないからだろう。朝からかけておるのに、ずっと無視しおって」
「……」
朝からイチャイチャしてたせいなんて、言えない…。
私まで恥ずかしくなって俯いてしまう。
「大事な話がある。咲玖さんも一緒に帰って来なさい」
「私もですか?」
「もちろん。九竜家の嫁となるんだからな」