クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


嫁、という言葉に思わずドキッとしてしまう。


「何かあったの?」
「家に着いたら話す。車を待たせてあるから、準備しなさい」


言われて私たちは朝食を食べ終わり、急いで出かける準備をした。
おじいさまはゆっくりでいいと言ってくださったけど、おじいさま直々の呼び出しということは大事な話だろうし…。

蒼永の実家にお邪魔するの久々かもしれない。
子どもの頃は何気なく遊びに行ってたけど、今はちょっと緊張するなぁ。

今日のコーディネートは、春らしい水色のワンピースに白いカーディガンでカジュアルになりすぎないコーデ。
スカート丈は短すぎず、膝下くらい。
髪はくるりんぱして、アレンジポニテでちょっと大人っぽく。

メイクはナチュラルで!
よし、完成!


「お待たせしました!」
「おお、上品で可愛らしい。自慢の許嫁だな、蒼永」
「……。」

「ありがとうございます!」
「さあ、行こう」


車を出してくれたのは、おじいさまの秘書さん。
軽くご挨拶して乗ろうとしたら、蒼永に耳元で囁かれた。


「…すごくかわいい」

「…っ!」


一瞬にして高まる心拍数と体温。


「何をしてる?行くぞ」

「はっはい!」


…おじいさまの前なのに、ドキドキさせないで〜〜!!


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