クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
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その日のお昼休みは「流石に九竜くんに申し訳ないから、あたしに気にせず行ってきて」と翠夏ちゃんが言ってくれたので、お言葉に甘えて二人きりで食べることに。
ちなみに今日のお弁当は私の担当です。
「ねぇ蒼永、住江くんってクラスでどんな感じ?」
「どんな?いつも本読んでて誰とも喋らない」
「…いじめられたりとか、してない?翠夏ちゃんが心配してたんだよね」
翠夏ちゃんの気持ちは秘密だけど、住江くんのクラスでの様子を気にしていたことは話してもいいよね?
「…してないと思うけど」
「そっか、ならよかった。私この前住江くんに会ったんだ」
「そうなの?」
「住江くん、面白い人だったよ!ほんとにかるたが大好きみたいで、和歌にもすごく詳しくて勉強になっちゃった」
「そう」
「普段はあんまり喋らなさそうだけど、好きなもののことになると熱が入る人って、いいよね〜」
私も大好きなコスメの話になると、ついつい饒舌になっちゃうからすごく気持ちわかる。
「コレ!って大好きなものを持ってる人ってすごくかっこい…、」
「――咲玖。」