クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
5.許嫁と球技大会Ⅰ
「えっ、翠夏ってかるた部の住江くんが好きなの!?」
とある日の放課後、私、桃ちゃん、翠夏ちゃんの三人でワックに来ていた。
改めて翠夏ちゃんと仲良くなったので、桃ちゃんにちゃんと紹介したくて。
そしたら案外あっさり打ち解け、もう恋バナが始まっている。
「うん…」
「え〜〜!意外だわ。失礼だけど全然タイプじゃないと思ってた」
「全然タイプじゃないよ〜!正直絶対好きにならないタイプだと思ってたもん!」
「まさかのノーマークに落ちちゃったわけね」
「そう〜!!」
やっぱり翠夏ちゃんってすごくかわいいなぁ。
「桃ちゃんは住江くんのこと知ってるの?」
「ほぼ知らないわよ。マーバンの子が去年住江くんと同クラで、今年からS組だから名前は知ってる程度で」
「そっか」
「特待生に選ばれたことは誇らしいけど、普通科と全然関わらないから部活じゃないと会えないし、部活じゃかるたに集中してばっかだし…どうしたらいいの〜!!」
「わかるよ、翠夏ちゃん…!!」
私もなかなか学校では蒼永に会えなくて寂しいもん…!
「――あら、S組と今度関わるじゃない」
「「えっ」」
「A組はもう発表されてたけど、Bはまだなの?」
「???」
その桃ちゃんの言葉の意味は、翌日わかった。