クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
深呼吸を一つして、住江くんに近づく翠夏ちゃん。
私までなんだかドキドキしちゃう…。
「緋色!」
「華村…」
「まさか緋色がうちのクラスだったなんてね〜。足引っ張らないでよね!」
…あれ?
「…わかってるよ」
「何に出るの?」
「別に、余ったのでいいよ」
「じゃあバスケにしたら?あたしもバスケだし、部員のよしみで入れてあげてもいいよ!」
あれあれーー!?翠夏ちゃん!?
なんか全然いつもと違うんだけど!?
「いいよ!同じ部員だからって俺に構わなくていいから!」
「あたしは緋色を心配して…っ」
「ほっといてくれ!」
完璧に不機嫌になってそっぽを向いてしまった住江くん。
私は恐る恐る戻ってきた翠夏ちゃんの顔を覗き込んだ。
「翠夏ちゃん…?」
「さ、咲玖ちゃあん…」
うるうるした瞳で私を見つめる翠夏ちゃん。
その後ヨシヨシしながら訳を聞いた。
「ダメなのあたし…緋色の前ではいつもああなんだ…。つい嫌な態度取っちゃうの…」
「翠夏ちゃん…」
「なんか好きになる前の絡み方が抜けないし、恥ずかしいのもあってつい…!ほんとダメダメだよね!」
「私は翠夏ちゃんかわいいなぁって思うよ」
「どこがぁ!?」