クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


あんなに男子に対してフレンドリーに話せる最強あざと女子が、好きな人の前でだけ上手く話せないなんて、それこそめっちゃあざといと思うのですが。
つまり最強にかわいい!


「翠夏ちゃん、これはチャンスだよ!」
「え?」
「せっかく同じクラスで球技大会できるんだから、これを機に距離を縮めようよ!」
「咲玖ちゃん…」
「私も協力するから!」
「あ、ありがと〜〜!!」


私も翠夏ちゃんの恋の応援、頑張るぞ…!


「でも咲玖ちゃん、九竜くんにメロメロになって忘れそ〜」
「そんなことないよっ」


多分だけど…。


* * *


うちの高校の球技大会はサッカー、バスケ、バレーの三種目に分かれてクラス毎に参加します。
サッカー部、バスケ部、バレー部は自分の部活の種目に出るのは禁止。

人数の少ない各学年のS組は普通科のクラスに振り分けられ、それぞれのクラスで参加。
学年問わずトーナメント戦で戦います。

ちなみにどの種目も前半は女子、後半は男子が戦うというある意味の混合戦。
だから男女団結して戦うことができるけど、その分責任も重大…。

特に私なんて…


「きゃあっ」


ドン引きする程運動音痴なので…。
ドリブルの途中で転ぶという鈍臭さ。


「大丈夫咲玖ちゃん?」
「大丈夫…」


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