クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
汗を拭いて制服に着替えている時、あっけらかんと翠夏ちゃんが言った。
「二人だけでバスケ練習デートってちょー良くない?」
「!! でも、蒼永は部活もあるし…」
「そんなの彼女、いや許嫁の頼みなら聞いてくれるよ!お願いしてみたら?」
正直めっちゃ魅力的すぎるので、できればお願いしたい…!!
「言ってみる…!」
「いいじゃん、いいじゃん」
「翠夏ちゃんは?」
「えっ。」
確か緋色くんはサッカーチームに参加してたよね。
「仲良くなるんじゃないの?」
「そおだけど…種目が違うとどうしても…」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!球技大会終わっちゃうよ!?」
「わかってるってば〜!」
自分の恋になると奥手なんだもんなぁ、翠夏ちゃん。
そこがかわいいけど…。
「当日は絶対応援行くし!…咲玖ちゃん、ついてきてくれるよね?」
「もちろん!」
私もなんとか応援できたらいいんだけどなぁ…。
とはいえ、やっぱり種目が違うと話しにくいのは事実なんだよね。
当たり前だけど普段はS組だから、練習の時しか合流しないしそれぞれ練習しなきゃだし。
…まずは自分をどうにかしないとだよね、私は。
その夜、蒼永に練習に付き合ってほしいとお願いしてみたら、快くOKしてくれた。