クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「気合い入ってるね。自主練したいなんて」
「だって私運動ダメダメだし、ちょっとでもみんなの足引っ張りたくないから」
「そう」
「ありがとね。部活もあるのに」
「全然。咲玖と一緒にいられる時間が増えて嬉しいよ」
も〜〜〜〜…私の許嫁優しくて好き…!!
キュンキュンしながら、蒼永との自主練開始です!
しかし…、
「腰もっと落として。下向かない、ボール見ない。前見る」
い、意外と練習は優しくない…!!
「またボール見た」
「ううっ」
正直ちょっと甘酸っぱいのを期待してる自分がいました!!
甘く見ててすみませんでした!!
「じゃあドリブルしたまま走ってみて」
「は、はいっ」
止まったままドリブルはできるようになっても、走り出すと足がもつれてしまう。
「重心は低く。またボール見てるよ」
「うっ、はい!」
それからシュートの練習まで続き、初日からしっかりめの練習でヘトヘトになった。
「つ、疲れた〜…」
「お疲れ様」
買ってきてくれたスポドリを飲んで喉を潤す。
「こ、こんなガチ練習になると思ってなかった…」
「キツかった?」
「正直キツかった!!」
「やめる?」
「やめない!!」
すると蒼永は何故か吹き出して笑い出す。
「咲玖ならそう言うと思った」