クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


私に向かって微笑みかける蒼永に、めっちゃキュンとしてしまった。


「咲玖はやるとなったら一生懸命だから、中途半端にやるより最初からがっつりの方がいいと思って」
「そ、そっか…」
「そういうところが好きだよ」
「っ!」


ふ、不意打ちはずるくないかな…!?


「ねぇ咲玖、俺も頑張るから見てて」
「え、もちろんだよ」
「他の奴のことは見ないでね」
「…言われなくても、蒼永のことしか目に入らないと思う」


だって、絶対カッコイイってわかるんだもん。
私のためにお手本で見せてくれる時でさえ、カッコよすぎてドキドキしてたんだから。

試合になったら、蒼永しか見えないよ――。


「私ね、みんなの足手まといになりたくないのもあるけど、せっかく蒼永と一緒にできるから頑張りたいんだ。
だって、同じチームで一緒にやれるなんて、この先ないかもしれないでしょ?」


これが最初で最後かもしれない。
だから少しでも頑張って、一緒に勝ちたいの。

私じゃ何も役に立てないかもしれないけど。


「――咲玖はやっぱりかわいいね…」


コツンと、おでことおでこが触れ合う。

目が合って、顔の近さにドキドキして――ゆっくりと目を閉じた。



「――っ!危ないっ!」



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