クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
6.許嫁と球技大会Ⅱ
球技大会当日。
試合を控えた私は、今ものすごく緊張しています。
「咲玖ちゃん、大丈夫?」
「だ、大丈夫…っ」
「顔強張ってるけど!?」
だって心配なんだもん…!!
蒼永に教えてもらってたくさん練習はしたけど、そもそもが運動音痴だから…!!
「咲玖、もっとリラックスしなさいよ」
「桃ちゃん!大志くんも!」
「応援に来たよ〜、さっちゃん」
先程バレーの試合に出場していた二人は、余裕のあるプレーで一回戦を突破していた。
桃ちゃんはサービスエース決めまくるし、大志くんもレシーブが上手くて相手のアタック拾いまくるんだよね。
いいよね、運動神経が良い人たちって…。
「さっちゃん、指大丈夫?絆創膏だらけだけど」
「あっこれは…練習の勲章といいますか、私が鈍臭いだけともいいますか」
「それだけ練習したってことでしょ?自信持ちなさい」
「が、頑張る!」
「ところで蒼永くんは?」
「1年女子に声かけられまくるから試合始まるまで隠れてるって」
「サボりの理由が腹立つわね…」
全学年がいる場所だとどうしても目立つからね。
「対戦相手どこ?」
「2Dだったかな」
「えっ…」
それを聞いた途端、桃ちゃんの綺麗なお顔が歪む。
「2Dって松川茜がいるところじゃない!」