クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
ついに呼ばれた!
前半は女子の試合から。
挨拶のために整列すると、目の前には松川さんが。
相変わらずものすごく美人だ…。
「気をつけ!礼!」
「よろしくお願いします!!」
頑張るぞ!と気合いを入れて、コートに立つ。
あれ、そういえば蒼永は…?
まだ来てない?
「――庶民のちんちくりんのくせに」
すれ違い様に松川さんに囁かれた。
今の、私に言ったよね…?
「ピーーッ!」
気にする間もなく、ホイッスルの音とともに試合が開始する。
ジャンプボールを取ったのはB組だった。
ボールをキャッチしてパスされたボールは、何故か私の手の中に!
ヤバい、思わずキャッチしちゃったけど…、どうすればいいの!?
あんなに練習したのに、咄嗟に判断ができない!
ど、どうしよう…!!
「――咲玖!打って!」
どこからかわからないけど、はっきりと聞こえた蒼永の声。
ハッとした私は、その場からシュートした。
ボールは弧を描き、吸い込まれるようにゴールに入った!
「キャ〜〜!!すごい咲玖ちゃん!いきなり3Pだよっ!」
興奮気味に翠夏ちゃんがハグしてくれたけど、私はまだ頭がついていけてない。
心臓はものすごくバクバクしてる。
私、今できた…?