クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


「ごめんね、せっかく練習付き合ってくれたのに」
「3P決めたんだから充分だよ」
「…蒼永かっこよかった」
「そう?」
「ヒーローだったよ」


悔しい気持ちを全部吹き飛ばしてくれた。
蒼永がいてくれて本当によかった。


「咲玖が諦めないで頑張ってたからだよ。
だから絶対勝ちたかった」

「うん…っ、ありがとう…!」


もう一度ぎゅっとハグし合って、心が満たされた。
まだ試合は続くけど、今はこの余韻に浸っていたい――。



「咲玖ちゃーん!!大丈夫ーー!?」


突然保健室のドアが勢いよく開いたと思ったら、大声とともに翠夏ちゃんが入ってきた。
思わずバッと離れる。


「あれ、もしかしてお邪魔だった?」
「翠夏、気をつけないとこのバカップル、所構わずイチャつくわよ」
「ごめ〜ん桃のん」
「あはは…ごめんね突然」


大志くんと桃ちゃんまで…!


「二人ともお疲れ様。飲み物買ってきたよ」
「大志くんありがとう!」
「サンキュ」


流石大志くんはめっちゃ気が利くなぁ!


「咲玖、怪我は?」
「大丈夫だよ」
「よかった〜!!心配したよ〜!!」
「ごめん、ありがとね。桃ちゃんたちもめっちゃ声聞こえてたよ」


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