クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
7.許嫁との記念日
「蒼永!これ見て〜!!赤ちゃんのお洋服!かわい〜!!」
「…気が早くない?」
「えーそんなこと言ってたらあっという間だよ〜」
最近赤ちゃんグッズがあると目に付いてしまうようになった。
永美里さんは安定期に入ったところで、悪阻はつらそうだけど概ね元気とのこと。
蒼永は何だかんだで毎週実家に帰ってて、たまに私も一緒に行く。
「そろそろ性別わかる頃?」
「母さんは知ってるみたいだけど、生まれてからのお楽しみなんだって」
「え〜そうなの?楽しみ!」
男の子でも女の子でもかわいいことは間違いないもんね。私までドキドキしちゃうなぁ。
「今日うちに来る?」
「行く!」
まだ自信がないけど、もうちょっと上手になったら蒼永の実家でごはんを作るのが密かな私の夢だったりする。
だって私許嫁だし!
永美里さんが妊娠中で大変な今、少しでも役に立ちたい!
だって私許嫁だし!!
「ただいま」
「お邪魔します〜!」
「あ、お帰り咲玖、蒼永くん」
「お帰り〜」
「!? なんでパパとママがいるの!?」
何故か蒼永の実家なのに我が物顔で座っているうちの両親。
パパはエプロン付けて料理中みたいだけど、ママは既に缶ビールを開けている。