クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「今日青人くん遅くなるって聞いたから。永美里一人じゃ心配でしょ?」
「だからパパがごはん作りにきたんだー」
「あ、そうなんだ〜」
家族ぐるみの付き合いだとこれが普通なんだもんな…。
「ありがとね咲玖ちゃん。二人にはとても助かってるの。巧さん、料理上手だし」
うちはパパの方が家事が得意で、料理も主にパパの担当だったりする。
ママはぶっちゃけ料理下手。
料理の腕はパパに似たかった。
「…父さんもじいちゃんもいないって聞いたから帰ってきたんだけど。巧さん、舞子さんありがとうございます」
「いいの、いいの。蒼永くんも食べてね」
「デキた息子じゃない、永美里。流石だわ」
「…ママ、ビール何本目?」
「まだ2本」
「もうこれで終わりね!!」
ママはそんなにお酒強くないくせに、すぐ飲みすぎるんだから!!
人ん家で恥ずかしいからやめて欲しい!!
「あらいいのよ。いつものことだし」
「すみません…」
実はうちのパパと蒼永パパ、うちのママと蒼永ママも幼馴染という関係だったりする。
パパは子どもの頃から九竜家に出入りしてたみたいだし、キッチンの使い方もまるで自分家のように把握してる。
「懐かしいなぁ。パパ、朝食はほぼ毎日青人と食べてたよ」
「なんで?」
「いやぁ、なんかそういうものだと思ってて」