クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


「私たちって記念日いつなの??」

「えっ」


夕飯を食べ終わり、自分たちの家に帰る途中(蒼永が明日朝早いので実家には泊まらなかった)、蒼永に聞いてみた。


「…いつなんだろ」
「やっぱり!?わかんないよね!?」


今まで記念日って考えたこともなかった!
だって、物心ついた時には既に婚約してたし!


「生まれる前から決まってたんなら、咲玖の誕生日?」
「そっか!!私のが遅いもんね!」


えーー、でもそれだとただの誕生日だから、あんまり記念日って感じはしないかなぁ…。


「咲玖は記念日大事にしたい?」
「…いや、どうかなぁ…」


誕生日はめっちゃ張り切ってお祝いしようと頑張ったけど、記念日というものが正直何をするのかよくわかってないんだよね…。


「結婚記念日は、毎年一緒に過ごしたいけど」
「俺も」
「ほんと?難しいかもしれないけど、二人きりで過ごせる時は過ごしたい」
「いいよ」


蒼永は私の瞼あたりに軽くキスした。


「毎年大事にする」
「うん」
「咲玖のことも」


さっき一人でホワッとした妄想が、現実になるような気がして、胸の奥がきゅうっとした。

こんな風に当たり前みたいに未来の話ができるのって、すごく幸せだな――…


< 68 / 200 >

この作品をシェア

pagetop