クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ



* * *


「――とゆうわけで、今は記念日とかいいかなって!」

「いいんかい!!」


桃ちゃん、翠夏ちゃんと女子会兼カラオケ中にその話をしたら、全力でツッコミを入れられた。


「え〜、あたしだったら付き合って何日目とか数えちゃう」
「翠夏はでしょうね」
「初デート記念日とか初キス記念日とかも覚えてると思う」
「そんなに記念日ってあるの…?」


思わず絶句してしまった。


「女子はみんな記念日好きだと思ってたぁ」
「私も付き合い始めた時は1ヶ月単位で何かしてたけど、今は1年毎だけね。大志の方が色々細かく覚えてるわよ」


世の中のカップルってすごいなぁ…!


「…まあ、咲玖の場合順番が逆だもんね。婚約してから付き合ってるから」
「じゃあ付き合った日が記念日じゃないの?」
「あー、でもその日は…」


あんまり記念日としては相応しくないかなぁ…。
色々あった上で最終的に丸く収まったって感じだし。

それよりも。


「…記念日にするなら、あの日の方がいいかも」


初めてデートした日、教会でこの指輪をもらった日。
私たちの間で確かな約束をした日。

…そうだ、記念日にするならあの日がいい。


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