クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


翠夏ちゃん、運動部には入りたくないなんて言ってたのに、こんなのどう見てもスポーツだよ。

かるたに全集中してる間は誰も私に気づいてなかったけど、一区切りついたところで緋色くんが私に気づいた。


「…あ。」


てゆーか、さっきのめちゃくちゃ早かった人、緋色くんだったんだ!?
かるた取ってる時の気迫がすごすぎて、全然わからなかった…!


「こ、こんにちは」

「…華村なら今席外してるけど」

「あ、いや、今日は生徒会の視察で覗かせてもらいに来まして」

「そうなんだ」

「すごいね緋色くん。かるた取ってる時、めちゃめちゃカッコいいね!」


これは翠夏ちゃんが惚れちゃうのもわかるかも。
こんなギャップ見せられたらキュンキュンしちゃうよ。
普段と全然違うんだもん。


「……。」
「あれ?どうかした?」
「…そんな風に言われたの、初めてだ」
「えっ、翠夏ちゃんとか言われない?」
「華村が?言うわけないよ。かるた取ってる時はマシだねって言われるくらい」


翠夏ちゃん……、きっとそれは「カッコイイ」って言いたいんだろうけど、全然伝わってないですよ…。


「し、白凪は…かるた興味あるの?」


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