クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
あと、緋色くんが来てくれたら翠夏ちゃんが喜ぶからね…!!
「…友達?」
「うん。一緒に球技大会に参加したんだから」
「…それだけなのに」
「それほどだからだよ!」
緋色くんは引っ込み思案なところがあるけど、話す時はちゃんと目を合わせて話してくれるところが好感度高いと思う。
かるたしてる時のギャップがすごいし、普段も一つ一つの所作が綺麗というか、育ちの良さを感じるんだよね。
翠夏ちゃん、すごく見る目あるよ…!
これは確かに、緋色くんの良さを知ってもらいたいって思うよね。
「この本、ありがとう。読ませてもらうね」
「あ、うん」
「じゃあ、翠夏ちゃんによろしくねー!」
部活の視察を終えて蒼永を待つ間、緋色くんに借りた本を開いてみた。
確かに解説がわかりやすい。
漫画も入っていて読みやすいかも。
平安時代では歌を詠んで恋心を綴っていたんだと思うと、なんだか素敵だよねぇ。
「…手紙かぁ」
流石に歌を贈るのは現代的じゃないけど、手紙を贈るって良いのでは??
蒼永が留学してた時には何回か書いたことあるけど、付き合い始めてからはないし。
記念日に手紙、めっちゃ良いのでは!?
思いがけないところからヒントをもらった。
緋色くん、ありがとう――…!!
「咲玖、」