クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「そ、そろそろ休憩しよっか!」
咲玖が声をかけたことで、一時休憩に。
華村も住江もまだいがみ合っていたが、ひとまず休戦した。
「ティラミス作ってみたんだ。よかったら食べてね」
「ティラミスって作れるの!?流石大志くん!」
「大志のティラミス、絶品よ」
料理が得意な大志がティラミスを作ってきてくれたので、紅茶でも淹れるか。
「紅茶淹れる」
「私も手伝う!」
咲玖と一緒にキッチンに行って、紅茶を淹れる。
母さんが紅茶党だからそこそこ種類があったけど、とりあえずダージリンでいっか。
「咲玖、そこの戸棚にあるカップ取れる?」
「取れる!」
って言ってるけど、一生懸命手を伸ばしていて届かなさそう。
何とか手が届いたと思ったら、手を滑らせた。
「あっ…!」
「セーフ」
咄嗟に受け止められたので、カップは割れずに済んだ。
ついでに他のカップも戸棚から取り出す。
「大丈夫?」
「大丈夫!ごめんね」
「いや、最初から俺が取ればよかった」
「……蒼永、ほんとに背伸びたよね」
「まあ、そうかも」
「…なんか、まだドキドキしちゃう」
「……それは、誘ってるってこと?」
「さそっ!?」
グッと咲玖の方に体重をかけ、シンクに寄りかかって追い詰める。
両手を咲玖の後ろに回せば、もう逃げられないし逃がさない。
顔を近づけると、咲玖からほのかに甘い香りがした。