クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


まあとりあえず紅茶を用意して、部屋に戻って大志のティラミスを食べた。
相変わらず大志が作るものは美味い。


「どう?蒼永くん、甘みはちょうどいい?」
「うん、美味い」

「黄瀬くんすごすぎ〜!!最高の彼氏じゃん、桃のん」
「まあね」
「いいな〜〜」

「住江くんも口に合うといいな」
「…あ、すごく美味しい…」
「そっか!よかった〜」


この勉強会をやるって話が出た時、住江は嫌がるんじゃないかと思ったし、最初は緊張してたっぽいけど…何だかんだで溶け込めてたな。

俺だけじゃこうはならなかったと思うから、大志がいてくれてよかった。


「…あの、今更だけど、なんで俺のこと誘ってくれたの?」


住江はおずおずと俺たちを見回した。


「俺が華村と同じ部活だから…ってわけじゃないよね…?」

「あ、あんた古文の成績トップじゃないっ。だから、教えてもらおっかな〜〜って」

「……華村は今更無理じゃない?」

「なんでよ!!」

「まーまー翠夏ちゃん!ほら、この前私に百人一首の本貸してくれたでしょ?
あれすごく面白かったから、お礼も兼ねて一緒に勉強できたらなと思って!」


そう言って咲玖は、百人一首の本を住江に返す。


「ありがとう!すごく読みやすくて面白かったよ!」

「よかった」


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