クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「んもう…っ!蒼永…!!」
「…さっきの続きしよ?」
「か、片付けが先でしょ…!?」
真っ赤にしながら睨んでるけど、目が潤んでてかわいい。
むしろ更に煽ってる。
「後でやるからもうちょっと」
「ん……」
ごめんね、咲玖。
頭ではわかってても、止められない。
情けない嫉妬と独占欲で溺れそうになる。
でも、咲玖ももっと自覚して。
咲玖はかわいいんだから……無邪気で素直で、他人を色眼鏡で見たりしない。
その優しさに触れたらどうなるか、もっと自覚してよ――。
それに咲玖が傷つくことにもなるんだから。
「……蒼永、このまま実家に泊まる?」
「ん?うん」
「私も泊まってもいい…?」
この無自覚でかわいくて煽り上手な許嫁には困ったものだな……。
「…一緒に寝る?」
「えっ!?」
「冗談だよ」
そんなことしたら理性が吹っ飛ぶくらいじゃ済まないからね。
「咲玖」
「へっ?」
「…ううん、何でもない。
片付けしたら買い物いこっか」
「うんっ!」
咲玖にはいつも笑顔でいて欲しい。
だけど、その気持ちとは裏腹に咲玖をもっと独占して、めちゃくちゃに愛したくなる。
これからもずっと、俺だけの咲玖でいて欲しい。
咲玖が泣くようなことは起きて欲しくないのに、なかせたいみたいなこのドロドロした葛藤は、どこにやればいいんだろう――。