クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
9.かけ違う心
「あっ!緋色くんだ」
「……。」
「こんにちは!」
「…九竜なら今いないけど」
「えっ!?違うよ!先生に頼まれて資料運んでただけだよ。
…まあ、会えたらいいなとは思ってたけどね」
「そう…」
最近は、こうして学校で緋色くんに会うと話しかけるようになった。
緋色くんがどう思ってるかわからないけど、とりあえずおしゃべりに付き合ってくれる。
「あっ!そういえば、今回古文のテストいつもより点数よかったんだよ」
「よかったね」
「緋色くんが教えてくれたおかげだね!」
「っ、いや俺は別に……」
「翠夏ちゃんは消沈してたんだけどね…」
「ああ……」
なんとか赤点は免れたみたいだけど、せっかく教えてくれたのにって凹んでた。
ああいう姿、緋色くんの前でも見せたらいいのにと思うんだけど……。
乙女心は複雑なんだよね。
「そういえば、緋色くん夏休み一緒に遊ばない?」
「えっ!?」
「この前勉強会したメンバーでお祭り行かない?って話してるんだけど!」
主に翠夏ちゃんのために!!
勉強会のリベンジってことで…!
「…基本的に部活だけど、1日くらいなら」
「そっか!じゃあ、翠夏ちゃんに聞いて部活がない日で計画してみるね!ありがとう!」
「白凪!」