クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
何だかんだで緋色くんなりに歩み寄ってくれてるってことかな?
よかったよかった。
「…咲玖ちゃんってさ」
「ん?」
「緋色のこと、どう思ってる…?」
「え。」
その時、チャイムが鳴った。
もうすぐ次の授業が始まる時間だ。
「ごめん翠夏ちゃん、後ででもいい?」
「う、うん…」
急いで席に着いて、次の授業の準備をする。
先生が入ってきて、授業が始まった。
ノートを取りながら、さっきの翠夏ちゃんの質問について考えてみた。
いいお友達になれたらいいなぁと思うけど。
緋色くん、意外と話しやすいし。
翠夏ちゃんのこと抜きにしても、仲良くしていけたらなぁとは思ってるかな。
…あ、でもあんまり仲良くすると蒼永がヤキモチ妬いちゃう?
そもそも、緋色くんには妬いて大志くんはOKなのはなんで??
大志くんには桃ちゃんがいるからかなぁ。
でも、緋色くんは翠夏ちゃんの好きな人なんだし、あんまり変わらないと思うんだけど…。
「…なぎ、白凪!」
「へっ!?」
「へっ?じゃない、次の行、読んでみろ」
…ボーッとしてたら先生に指されてた……。
翠夏ちゃんがさりげなく教えてくれた。
アワアワしながら立ち上がって教科書を読み始める。