クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


お弟子さんの中には女性も多くいるけど、それでも私って場違いすぎるよね…。

やっぱり見学遠慮した方がよかったかなぁ。
でもおじいさまと蒼永の手合わせなんて、なかなか見れるものじゃないし。


「あそこにいる女の子、めっちゃかわいい…」
「新しい門下生か?」


ほらーーーーなんか見られてるもん!!
絶対弱そうだって思われてるんだよ!!

なんて思っていたら、始まる手合わせ。
結果から言うと、おじいさまの圧勝だった。

現役と変わらない見事な動きと剣さばきで、蒼永を圧倒したおじいさま。
蒼永も食らいついていこうとしてたけど、やっぱりおじいさまの方が何枚も上手みたい。


「どうした、蒼永。雑念が多いぞ」

「……。」


まさか弟か妹ができるなんて思ってなかっただろうしね。
流石の蒼永もソワソワしてるんだろなぁ。


「昼からは空手だ。気を抜くんじゃない」

「はい…」


おじいさまはすっかり師匠の顔だ。
それにこの感じ、絶対稽古になるな。

せっかくのお休みだったのに、結局は稽古漬けになってしまう。
それも九竜家の跡取りの宿命なのかもしれないけど。

少しでも力をつけてもらいたい!とお昼ごはんは私もお手伝いさせてもらった。
栄養たっぷりのスタミナ丼。

今度永美里さんに栄養のあるレシピを教えてもらおう。


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