クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
* * *
今日はよく先生から頼まれ事をされる。
今日の日直が私だから?
修学旅行の栞をホッチキスで留める作業を頼まれたんですけど……
「多いなぁ…」
これ一人で終わるのかなぁ…?
まあ今日は部活も生徒会もないし、蒼永も部活なんだけど…記念日になんかちょっとやりたかった!
いや仕方ないんだけどね?
サプライズにしたからデートしようとか言い出せなかったし、そもそも大会前で練習大変そうだし。
こういう時、ちょっと寂しいなぁ……。
一緒に住んでるのに、二人でゆっくりする時間取れなくて。
「いや!我儘言っちゃダメ!
蒼永は頑張ってるんだから応援しないとっ」
とにかく今は修学旅行の栞を完成させます!
2年生は秋に京都へ行くんだよね。
定番だけどすごく楽しみ!
クラス違うけど、1日くらい蒼永と一緒に回りたい…。
「――失礼しま、あれっ」
「あれ、緋色くんだ」
今日会うの2回目だ。よく会うなぁ。
「何してんの?」
「先生に頼まれて修学旅行の栞のホッチキス留め」
「一人で?」
「うん」
私の目の前にはドッサリと栞の山が置かれている。
まだ半分も終わってない。
「緋色くんは?」
「部室のCDプレーヤーが調子悪いから借りにきた」