クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


* * *


今日はよく先生から頼まれ事をされる。
今日の日直が私だから?

修学旅行の栞をホッチキスで留める作業を頼まれたんですけど……


「多いなぁ…」


これ一人で終わるのかなぁ…?

まあ今日は部活も生徒会もないし、蒼永も部活なんだけど…記念日になんかちょっとやりたかった!

いや仕方ないんだけどね?
サプライズにしたからデートしようとか言い出せなかったし、そもそも大会前で練習大変そうだし。

こういう時、ちょっと寂しいなぁ……。
一緒に住んでるのに、二人でゆっくりする時間取れなくて。


「いや!我儘言っちゃダメ!
蒼永は頑張ってるんだから応援しないとっ」


とにかく今は修学旅行の栞を完成させます!

2年生は秋に京都へ行くんだよね。
定番だけどすごく楽しみ!

クラス違うけど、1日くらい蒼永と一緒に回りたい…。



「――失礼しま、あれっ」

「あれ、緋色くんだ」


今日会うの2回目だ。よく会うなぁ。


「何してんの?」

「先生に頼まれて修学旅行の栞のホッチキス留め」

「一人で?」

「うん」


私の目の前にはドッサリと栞の山が置かれている。
まだ半分も終わってない。


「緋色くんは?」

「部室のCDプレーヤーが調子悪いから借りにきた」


< 90 / 200 >

この作品をシェア

pagetop