クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
「……男女の友情って、正直俺はあんまり信じてない。天野とか咲玖にとっての大志とか、例外もいるけど」
あとリオンもだっけ。
友達として付き合える異性もいるけど、友情としての好意が恋愛の好意に変わることはないと、絶対に言い切れないとは思ってる。
「小学生の時、もっと周りと仲良くしろって咲玖に言われてたじゃん」
「う、うん」
「それで一回クラスの女子にちょっと優しくしてみたことがあって、そしたら…」
なんでか知らないけど、俺がその子のこと好きなんだと勘違いされた。
しかも「私のことが好きなら咲玖とは話さないで」とか色々言われたんだよな…。
「…似たようなことが他にもあったし、男子にも嫌な顔されるようになって、友達なんていらないって思った」
「し、知らなかった…」
「秘密にしてたからね」
咲玖と表向きは仲良く接していても、裏では陰口叩いてる奴もいたから咲玖には知られたくなかった。
いつも笑顔でいて欲しかったから。
「だから、基本的に男女の友情なんてないんだよ。何かボタンかけ違えると、すぐに壊れる関係だって思ってる」
「でも、大志くんと桃ちゃんは…」
「あいつらは別。そもそも春日井は俺に興味ないしね」
だから気楽に付き合えるんだけど。