クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


「……男女の友情って、正直俺はあんまり信じてない。天野とか咲玖にとっての大志とか、例外もいるけど」


あとリオンもだっけ。
友達として付き合える異性もいるけど、友情としての好意が恋愛の好意に変わることはないと、絶対に言い切れないとは思ってる。


「小学生の時、もっと周りと仲良くしろって咲玖に言われてたじゃん」

「う、うん」

「それで一回クラスの女子にちょっと優しくしてみたことがあって、そしたら…」


なんでか知らないけど、俺がその子のこと好きなんだと勘違いされた。
しかも「私のことが好きなら咲玖とは話さないで」とか色々言われたんだよな…。


「…似たようなことが他にもあったし、男子にも嫌な顔されるようになって、友達なんていらないって思った」

「し、知らなかった…」

「秘密にしてたからね」


咲玖と表向きは仲良く接していても、裏では陰口叩いてる奴もいたから咲玖には知られたくなかった。

いつも笑顔でいて欲しかったから。


「だから、基本的に男女の友情なんてないんだよ。何かボタンかけ違えると、すぐに壊れる関係だって思ってる」

「でも、大志くんと桃ちゃんは…」

「あいつらは別。そもそも春日井は俺に興味ないしね」


だから気楽に付き合えるんだけど。


< 97 / 200 >

この作品をシェア

pagetop