クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ
試験が終わってからずっと忙しくて、まともに時間作れてなかったし、今日も普通に平日で部活もしっかり練習あって、デートする暇がなかった。
「春日井たちが記念日デートするの聞いて、羨ましがってたから行きたいのかなって」
「いっ行きたい…!」
「夏休みになるかもしれないけど、二人で行こう」
「いいの…?ありがとう…。おそろいで耳つけたい…」
耳ってあれか、カチューシャとか帽子のやつか。
「いいよ」
「いいの!?」
「咲玖がそうしたいなら」
「〜っ!!ありがとう!すっごく嬉しい…っ」
「咲玖、そろそろいい?」
ずっと我慢してたけど、もうそろそろ限界。
ゆっくりと咲玖に一歩歩み寄る。
「要するに、もうくっついてもいいってことでしょ?」
「っ、うん…っ」
「おいで」
両手を広げると、思ってたよりも勢いよく咲玖が抱きついてきたので、ちょっとだけ後ろによろけそうになった。
「ごめんね蒼永…!」
「別に謝らなくても」
「大好き!!」
「俺も」
ちょっと予想してたこととは言え、面白くないっていうのが本音だけど。
でも、咲玖が俺のために色々考えてくれたことの方が嬉しい。
あの手紙も。
「…手紙、ありがとう」