クールな許嫁の甘い独り占め。Ⅱ


試験が終わってからずっと忙しくて、まともに時間作れてなかったし、今日も普通に平日で部活もしっかり練習あって、デートする暇がなかった。


「春日井たちが記念日デートするの聞いて、羨ましがってたから行きたいのかなって」

「いっ行きたい…!」

「夏休みになるかもしれないけど、二人で行こう」

「いいの…?ありがとう…。おそろいで耳つけたい…」


耳ってあれか、カチューシャとか帽子のやつか。


「いいよ」

「いいの!?」

「咲玖がそうしたいなら」

「〜っ!!ありがとう!すっごく嬉しい…っ」

「咲玖、そろそろいい?」


ずっと我慢してたけど、もうそろそろ限界。
ゆっくりと咲玖に一歩歩み寄る。


「要するに、もうくっついてもいいってことでしょ?」

「っ、うん…っ」

「おいで」


両手を広げると、思ってたよりも勢いよく咲玖が抱きついてきたので、ちょっとだけ後ろによろけそうになった。


「ごめんね蒼永…!」

「別に謝らなくても」

「大好き!!」

「俺も」


ちょっと予想してたこととは言え、面白くないっていうのが本音だけど。

でも、咲玖が俺のために色々考えてくれたことの方が嬉しい。

あの手紙も。


「…手紙、ありがとう」


< 99 / 200 >

この作品をシェア

pagetop