愛が芽生える刻 ~リラの花のおまじない~
父親に提案され、エルマーが承諾したとなれば
ユリアーネも断れない。
硬い表情でエルマーを中庭に連れ出す。
特に言葉を交わすこともなく屋敷の喧騒が聞こえない距離まで
移動したところでエルマーが沈黙を破った。
「マグノリアではしてやられましたね。」
「なんのことでしょう。」
あくまでユリアーネはしらを切るつもりのようだ。
そこでエルマーは胸元に忍ばせていた例の写真を取り出した。
「こんな写真を撮らせて、俺を嵌めようとしましたね。」
写真を見せられて逆に開き直ったのか、
ユリアーネもニヤリと笑う。
「あら、どう見たってキスをしてきたのはエルマー様でしょ?私じゃないわ。」
「大方、俺をべろべろに酔わせてベットに連れ込んで写真撮らせるつもりだったんだろ。残念だったな。」
「私たちが何もなかったなんて証拠はどこにもないのよ。せっかく黙ってあげてたのに、バラしちゃおうかしら。」
「そうしてくれてもいいけどね。あんたがこれをばらされてもいいんなら。」
そう言ってエルマーは探偵の報告資料を突き出す。
それを見たユリアーネの顔が蒼白になった。
「お願い。それだけは秘密にして。私の人生が終わってしまう。」
「あんたが今後一切俺の人生に邪魔しないなら、黙っといてやるよ。」
「約束します。」
ユリアーネも断れない。
硬い表情でエルマーを中庭に連れ出す。
特に言葉を交わすこともなく屋敷の喧騒が聞こえない距離まで
移動したところでエルマーが沈黙を破った。
「マグノリアではしてやられましたね。」
「なんのことでしょう。」
あくまでユリアーネはしらを切るつもりのようだ。
そこでエルマーは胸元に忍ばせていた例の写真を取り出した。
「こんな写真を撮らせて、俺を嵌めようとしましたね。」
写真を見せられて逆に開き直ったのか、
ユリアーネもニヤリと笑う。
「あら、どう見たってキスをしてきたのはエルマー様でしょ?私じゃないわ。」
「大方、俺をべろべろに酔わせてベットに連れ込んで写真撮らせるつもりだったんだろ。残念だったな。」
「私たちが何もなかったなんて証拠はどこにもないのよ。せっかく黙ってあげてたのに、バラしちゃおうかしら。」
「そうしてくれてもいいけどね。あんたがこれをばらされてもいいんなら。」
そう言ってエルマーは探偵の報告資料を突き出す。
それを見たユリアーネの顔が蒼白になった。
「お願い。それだけは秘密にして。私の人生が終わってしまう。」
「あんたが今後一切俺の人生に邪魔しないなら、黙っといてやるよ。」
「約束します。」