愛が芽生える刻 ～リラの花のおまじない～

案ずるより産むが易しということで、
エルマーはソフィアに手紙を書くことにした。
今までの自分の軽率さを反省していること、
ソフィアに認めてもらえるような男になるという約束と、
舞踏会にぜひ一緒に行きたいということを書き、
王城の温室に咲いていたリラの花を添えて
ソフィアに送った。

エルマーがソフィアに手紙を送ったのは
舞踏会当日の2週間前だったが、
ソフィアの返事は1週間たっても来なかった。
こういうお誘いの手紙は
必ず返信するのがマナーだというのに。
そして結局、ソフィアから返事が来ることは無かった。