愛が芽生える刻 ~リラの花のおまじない~
「じゃ、俺はここで。こんな量の洗濯大変だろうけど頑張って。」
「重たいもの運んでくれてありがとう。エルマーもお仕事頑張ってね。」
「うん。」
去っていくエルマーをソフィアは笑顔で見送る。
ソフィアにとって、エルマーはずっと頼りになるカッコいいお兄ちゃんだった。
王妃付きの侍女という就職最高難度の職に就けたのもエルマーのおかげだし、
今もこうして気にかけてくれる。
ヨーゼフ様が引退されてエルマーが跡を継いだ途端に、
エルマーは女性達からの熱い視線を浴びるようになった。
今までは誰も見向きをしなかったのに
自分だけが知っていたエルマーを取られたような気がして
ソフィアはモヤモヤしていた。
「ただの侍女が、国王陛下の秘書に荷物持ちさせるなんて良いご身分ね~」
「しかも、シュトラウス様のこと呼び捨てにしてたわよ。なんて分不相応なのかしら。」
侍女仲間からの陰口が聞こえてくる。
彼女たちはおそらくエルマーのファンなのだろう。
王城勤めの女官には爵位の低い貴族の娘たちが多かった。
城で働きつつ、少しでも身分の高い結婚相手を探しているのだ。
ちょっといい身分の男性と付き合い始めた女官がいると、
すぐさまその子に対するいじめが始まる。
誰が得することも無い、醜い足の引っ張り合いだ。
「重たいもの運んでくれてありがとう。エルマーもお仕事頑張ってね。」
「うん。」
去っていくエルマーをソフィアは笑顔で見送る。
ソフィアにとって、エルマーはずっと頼りになるカッコいいお兄ちゃんだった。
王妃付きの侍女という就職最高難度の職に就けたのもエルマーのおかげだし、
今もこうして気にかけてくれる。
ヨーゼフ様が引退されてエルマーが跡を継いだ途端に、
エルマーは女性達からの熱い視線を浴びるようになった。
今までは誰も見向きをしなかったのに
自分だけが知っていたエルマーを取られたような気がして
ソフィアはモヤモヤしていた。
「ただの侍女が、国王陛下の秘書に荷物持ちさせるなんて良いご身分ね~」
「しかも、シュトラウス様のこと呼び捨てにしてたわよ。なんて分不相応なのかしら。」
侍女仲間からの陰口が聞こえてくる。
彼女たちはおそらくエルマーのファンなのだろう。
王城勤めの女官には爵位の低い貴族の娘たちが多かった。
城で働きつつ、少しでも身分の高い結婚相手を探しているのだ。
ちょっといい身分の男性と付き合い始めた女官がいると、
すぐさまその子に対するいじめが始まる。
誰が得することも無い、醜い足の引っ張り合いだ。