愛が芽生える刻 ~リラの花のおまじない~
祖父の死
その知らせは突然届いた。
エルマーが今日も変わらず王城で仕事をしていると、
急報が実家から届く。
全速力で馬を飛ばしてきたのだろう。
配達人も息が上がっている。
嫌な予感というのは的中するものだ。
配達人から受け取った電報には、
祖父が危篤状態にあることが簡潔に記されていた。
前にあった時はあんなに元気そうだったのに何でだ、という思いがエルマーを駆け巡る。
ユリウスに祖父の危篤を伝えると、
自分も一刻も早く向かうというので、
急いで準備をして城を発った。
通常であればシュトラウス家の領地までは馬車で1日はかかる。
しかし今回はそんな悠長なことは言ってられない。
騎士団から最も脚の速い軍馬を2頭借りて、
ユリウスと2人全速力でシュトラウス家を目指した。
馬の頑張りもあって、朝に出発して夕方には到着することが出来た。
慌ただしく屋敷に入ると、祖父が眠る寝室に入る。
「爺ちゃん、帰ったよ。」
ベット脇で眠る祖父に優しく話しかけると、ヨーゼフはうっすらと目を開けてエルマーを見つめる。
「エルマーか。来てくれたのか。」
「うん。国王陛下も来てくれたんだよ。」
エルマーと入れ替わるように、ユリウスはベット脇に座ると
ヨーゼフのやせ細った手を握る。
「じぃ、私だ。分かるか。」
ユリウスの問いかけに涙を流しながら、ヨーゼフは頷く。
「こんな老いぼれのために、ご足労いただき感激です。」
エルマーが今日も変わらず王城で仕事をしていると、
急報が実家から届く。
全速力で馬を飛ばしてきたのだろう。
配達人も息が上がっている。
嫌な予感というのは的中するものだ。
配達人から受け取った電報には、
祖父が危篤状態にあることが簡潔に記されていた。
前にあった時はあんなに元気そうだったのに何でだ、という思いがエルマーを駆け巡る。
ユリウスに祖父の危篤を伝えると、
自分も一刻も早く向かうというので、
急いで準備をして城を発った。
通常であればシュトラウス家の領地までは馬車で1日はかかる。
しかし今回はそんな悠長なことは言ってられない。
騎士団から最も脚の速い軍馬を2頭借りて、
ユリウスと2人全速力でシュトラウス家を目指した。
馬の頑張りもあって、朝に出発して夕方には到着することが出来た。
慌ただしく屋敷に入ると、祖父が眠る寝室に入る。
「爺ちゃん、帰ったよ。」
ベット脇で眠る祖父に優しく話しかけると、ヨーゼフはうっすらと目を開けてエルマーを見つめる。
「エルマーか。来てくれたのか。」
「うん。国王陛下も来てくれたんだよ。」
エルマーと入れ替わるように、ユリウスはベット脇に座ると
ヨーゼフのやせ細った手を握る。
「じぃ、私だ。分かるか。」
ユリウスの問いかけに涙を流しながら、ヨーゼフは頷く。
「こんな老いぼれのために、ご足労いただき感激です。」