求愛一夜~スパダリ御曹司の旦那様に独占愛を注がれています~

幼い頃、大人は皆ゲームに登場する勇者みたいに思えた。

どれだけ劣勢でも果敢に挑み、敵をなぎ倒して勝利する。

成長するにつれ、そんな無敵の存在になれる気がした。でも、どれだけ年月を経ても無理だった。

仕事。恋。友人。家族。

大切なものが増える度に人はより臆病になる。でも、弱音を吐いたら大事なものを失いそうで必死に強がった。

それは本当の私じゃない。

やがて身動きが取れずにボロボロになった頃、彼は救いの手を差し伸べてくれた。

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