さくらの記憶
「大変、もうこんな時間!」
インタビュー、ではなく、遥との食事を済ませてマンションに着くと、23時になっていた。
さくらは急いで北斗に電話をかける。
北斗は、ワンコールで出た。
「もしもし、北斗さん?遅くなってごめんなさい」
「さくら、こんな遅くに夜道歩いて大丈夫だったか?心配したぞ」
「大丈夫よ。都会だから人通りも多いし」
「だけど、気をつけろよ?お前、可愛いんだからな」
何を言ってるんだろう、この人は、と、さくらは苦笑いする。
「それより北斗さん。うちの親に電話したんだけどね、結婚のこと」
「ああ、うん」
北斗が固唾を呑むのが分かった。
「お父さんもお母さんも…」
そこまで言った時だった。
「さくらちゃんやー!わしはもう、嬉しくて嬉しくて!寿命が100年延びた思いじゃよー」
急に耳元で大きな声がして、さくらは驚いて耳を離す。
「お、おじいさん?」
電話の向こうで、バカ!やめろ、おじい!と、北斗の声がする。
「ごめん、さくら。大事な話の途中で。それで?ご両親はなんて?」
「あ、うん。喜んでたよ。おばあちゃんの近くに住むことになるなら、安心だって」
「そうか!良かった。改めてご挨拶に行かないとな。ご両親にも、おばあさんにも」
「うん。北斗さんの方は?私、どなたにご挨拶に行けばいい?」
「うちは、おじいだけでいいよ。他に親戚らしい親戚もいないしな」
「そうなのね。じゃあ、おじいさんに改めて…」
するとまた、大きな声がする。
「さくらちゃーん!早く引っ越しておいでねー!首を長くして待っとるぞー!」
だから、やめろってば!と、再び北斗の咎める声がした。
「おじいは既にこんな状態だから、ほっといていいよ。はー、やれやれ」
ふふっと、さくらは思わず笑う。
「またおじいさんと一緒に暮らせるの、とっても楽しみ!」
「ありがとう。でもその言葉はおじいには言わないでおくよ。また浮かれて踊り出すからな」
「踊るの?」
さくらは、目を丸くする。
「ああ、もうお祭り騒ぎだよ。さくら、色々片づいたら早く来てくれな。俺も待ってるから」
「うん!」
さくらは、嬉しそうに笑って返事をした。
インタビュー、ではなく、遥との食事を済ませてマンションに着くと、23時になっていた。
さくらは急いで北斗に電話をかける。
北斗は、ワンコールで出た。
「もしもし、北斗さん?遅くなってごめんなさい」
「さくら、こんな遅くに夜道歩いて大丈夫だったか?心配したぞ」
「大丈夫よ。都会だから人通りも多いし」
「だけど、気をつけろよ?お前、可愛いんだからな」
何を言ってるんだろう、この人は、と、さくらは苦笑いする。
「それより北斗さん。うちの親に電話したんだけどね、結婚のこと」
「ああ、うん」
北斗が固唾を呑むのが分かった。
「お父さんもお母さんも…」
そこまで言った時だった。
「さくらちゃんやー!わしはもう、嬉しくて嬉しくて!寿命が100年延びた思いじゃよー」
急に耳元で大きな声がして、さくらは驚いて耳を離す。
「お、おじいさん?」
電話の向こうで、バカ!やめろ、おじい!と、北斗の声がする。
「ごめん、さくら。大事な話の途中で。それで?ご両親はなんて?」
「あ、うん。喜んでたよ。おばあちゃんの近くに住むことになるなら、安心だって」
「そうか!良かった。改めてご挨拶に行かないとな。ご両親にも、おばあさんにも」
「うん。北斗さんの方は?私、どなたにご挨拶に行けばいい?」
「うちは、おじいだけでいいよ。他に親戚らしい親戚もいないしな」
「そうなのね。じゃあ、おじいさんに改めて…」
するとまた、大きな声がする。
「さくらちゃーん!早く引っ越しておいでねー!首を長くして待っとるぞー!」
だから、やめろってば!と、再び北斗の咎める声がした。
「おじいは既にこんな状態だから、ほっといていいよ。はー、やれやれ」
ふふっと、さくらは思わず笑う。
「またおじいさんと一緒に暮らせるの、とっても楽しみ!」
「ありがとう。でもその言葉はおじいには言わないでおくよ。また浮かれて踊り出すからな」
「踊るの?」
さくらは、目を丸くする。
「ああ、もうお祭り騒ぎだよ。さくら、色々片づいたら早く来てくれな。俺も待ってるから」
「うん!」
さくらは、嬉しそうに笑って返事をした。