さくらの記憶
やがて北斗の運転する車は、市庁舎に着いた。

ここで、市長や区長、地元の企業や町内会長とミーティングをすることになっていた。

さくらは、栗林と並んで自己紹介をする。

まだ籍は入れていないため、名前は高山 さくらのままで、北斗と結婚することも、特に話してはいなかった。

大きな地図を広げて、皆で、この辺りをどうするか、など、具体的に話をしていく。

町内会長からは、やはり、大きな建物で自然を壊して欲しくないことが挙げられたが、それ以外は、この町が住みやすくなるのは住民の皆も楽しみにしており、子ども達にもぜひここで暮らして欲しいとの声が伝えられた。

栗林は、建築に関して、2階建てより高い建物は建てないこと、娯楽施設や住民の希望しない施設は建てないこと、代わりに、希望の多かったスーパーやコンビニエンスストアは、いくつか誘致する予定だと説明した。

終始なごやかな雰囲気で、1回目のミーティングは終了。

各々握手を交して解散となった。
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