さくらの記憶
「タオルはこれを使って。濡れた服は洗濯機に入れて、このボタンを押せば乾燥まで出来るから」

さくらは、コクリと頷く。

「それとこれ、君の荷物だと思う。着替えも入ってるんじゃないかな?」

木のそばにうずくまっていた時に、さくらの横にあったスポーツバッグだった。

さくらは、ぼんやりとした表情で受け取る。

じゃあ、ごゆっくり、と言ってから、北斗はバスルームを出た。

そして小さくため息をつく。

(…どういうことだ?なぜさくらはここに?それに記憶も…)

「北斗、こっちへ」

どうやら同じ疑問を持ったらしい祖父に呼ばれて、リビングに入る。
< 15 / 136 >

この作品をシェア

pagetop