婚約破棄された公爵令嬢は冷徹国王の溺愛を信じない
要するに乗り換えた、と。
ルチアはショックを受けながらも、冷静になろうと必死だった。
そのせいか、頭の片隅で『なぜ浮気男はいつも逆切れするのかしら』などとの考えが浮かんだ。
バロウズ侯爵令嬢のカテリーナはルチアと目が合うと怯えたように殿下の腕にしがみつく。
こういうのが『可愛げ』というものなのだろうかと考えて苦笑すると、ジョバンニは令嬢を庇うように一歩前へと出た。
そのとき、カテリーナがジョバンニの背後で一瞬にやりと笑った顔が今でも忘れられない。
そして、カテリーナはぶるぶる震えながら呟いたのだ。
『わ、私が心配のあまり殿下に余計なことを言ってしまったから……』
うっかり漏れ出たというようでいて、しっかりルチアにまでその声は聞こえた。
儚くも可愛らしい容姿にゆっくりとした仕草。控えめな態度に声まで可愛いとなると、男性は惹かれるらしい。
ルチアはショックを受けながらも、冷静になろうと必死だった。
そのせいか、頭の片隅で『なぜ浮気男はいつも逆切れするのかしら』などとの考えが浮かんだ。
バロウズ侯爵令嬢のカテリーナはルチアと目が合うと怯えたように殿下の腕にしがみつく。
こういうのが『可愛げ』というものなのだろうかと考えて苦笑すると、ジョバンニは令嬢を庇うように一歩前へと出た。
そのとき、カテリーナがジョバンニの背後で一瞬にやりと笑った顔が今でも忘れられない。
そして、カテリーナはぶるぶる震えながら呟いたのだ。
『わ、私が心配のあまり殿下に余計なことを言ってしまったから……』
うっかり漏れ出たというようでいて、しっかりルチアにまでその声は聞こえた。
儚くも可愛らしい容姿にゆっくりとした仕草。控えめな態度に声まで可愛いとなると、男性は惹かれるらしい。