婚約破棄された公爵令嬢は冷徹国王の溺愛を信じない
ジョバンニはカテリーナに優しい視線を向けてから、ルチアを睨みつけた。
『ルチア・ショーンティ! お前は私のことを、遊んでばかりで政務を疎かにしている、と言ったそうだな!』
言っていない。思ってはいたが。
ただ似たようなことを口にしたかもしれない、とルチアは考えていた。『殿下がもう少し政務に時間を割いてくだされば』とか何とか。
『また、自分が王太子妃になれば、この国を思いのままにする、とも言ったそうだな!』
言っていない。思ってもいない。
ただ『殿下と結婚した後には、さらに民のために努めたい』と言ったことは覚えていた。
それをどこかで耳にしたカテリーナがわざと曲解してジョバンニに伝えたに違いない。
それからは、パーティー会場はルチアの糾弾の場となってしまった。
『ルチア・ショーンティ! お前は私のことを、遊んでばかりで政務を疎かにしている、と言ったそうだな!』
言っていない。思ってはいたが。
ただ似たようなことを口にしたかもしれない、とルチアは考えていた。『殿下がもう少し政務に時間を割いてくだされば』とか何とか。
『また、自分が王太子妃になれば、この国を思いのままにする、とも言ったそうだな!』
言っていない。思ってもいない。
ただ『殿下と結婚した後には、さらに民のために努めたい』と言ったことは覚えていた。
それをどこかで耳にしたカテリーナがわざと曲解してジョバンニに伝えたに違いない。
それからは、パーティー会場はルチアの糾弾の場となってしまった。